top of page

空蝉の桜

‐見世物興行譚-

 

 さあさあ、ここで語られますは、悲しきか。とある一つの物語。


小さなことと言わないで。ここで聞いたこと見たことは他言無用。お代は後で結構。

 

 

 さあさあ、よってらっしゃい、見てらっしゃい。

 

 

 ――まず語られますは、アのメのコの話。ウツショの誰を思って泣くか、花は散る


これは雪積もる冬の話だったか、空蝉の無く夏の話か。

 

 

 モノカタリのヌシらは鬼子か人の子か。

 


ヒトになる為人として愛してと願ってなぜダメなのか――

 

 さぁ、このベルが鳴り終わりましたら開始とあいなります


これも運命(さだめ)か。何故、主様はこのような悲しい試練をお与え給うのか。

 

 悲しい喜劇の始まりだよ。

 

 

 はい、もう間もなくの開演となります。さあ、入った入った。お代は後!

 


――ウツショのココロ忘れて、さあどうぞ

 

 

鬼ノ戯-off vocal- -
00:0000:00
bottom of page